一応18禁で。
フィー・・・
―――――――遠くで指笛が聞こえた。
異変に気づいたのはつい先日。
いつものように遊びにやってくるはずのあの子がこない。
妹のように可愛がって居たあの子。
生まれたときから世話をして肉親のように思っていた。
「ユキはどうしたの?」
問われた羊飼いの少年は顔を伏せながら応えた。
「今日はちょっと病気で連れてきてないんだ。でもきっとすぐに元気になるよ」
「まぁ大変!ちょっと様子を見に行かなくちゃ、連れて行って」
大切な妹が病気だと聞いて気が気で無かった。
「いや、ダメだよ。今近づくと病気が移っちゃうかも知れないし・・・」
「大丈夫よ!あたしはこ〜んなに元気なんだから!病気なんてへっちゃらよ!」
胸をふくらませて、ドンと叩いて自分の健やかさを強調した。
「と、とにかく・・・ダメだよ・・・絶対来ちゃダメだからね!」
少年は慌てた様子でそそくさと去ってしまった。
何か怪しい。彼は隠し事をしている。ユキはどうなったのだろう。
少女は後をつけた。
少年は小屋の中へと入っていった。
しばらくして、少女も小屋へと入った。
小屋の中にはたくさんの山羊や羊が犇めいていたが、
そこにはユキの姿は無かった。
「どうしたの!?ユキはどこへ行っちゃったの!?」
少年は突然の大声にびっくりして尻餅をついた。
その少年に近寄り問い詰める少女
「じつは・・・」
重かった少年の口が開いた。
―――――――気がつけば少女は走り出していた。
アルプスの山の中を、ひたすら走っていた。
居なくなってしまった妹を捜して。
≪いつでもさがしてるよ、どっかに君の姿を。≫
≪向かいの岩肌、干し草の中、こんなとこに居るはずもないのに≫
夢中で駆けていた。
少女は周りが見えていなかった。
ただただ、緑の背景の中に、雪色を見つけようとしていたのだ。
どれほど走ったのだろうか、自分の庭だったはずのアルムの山が見知らぬ土地に変わっていた。
ユキはもう居ない。分かっているはずなのに、自分の心はそれを認めない。
呼べばすぐにいつものあの顔、あの目、あの声が私に返ってくるはずなんだ。
「ユキちゃぁああああああああああああん」
少女は叫んだ。
「ユキちゃぁああああああああああああん」
「ユキちゃぁああああああああああああん」
「ユキちゃぁああああああああああああん」
「ユキちゃぁああああああああああああん」
返ってきたのは、山彦だけだった。
気がつけば、頬を涙が伝っていた。
少女は泣きじゃくった。体中のエビアンが完売御礼になってしまうかのように泣いた。
もう350mlペット分すら出ない。
そんな時、声が聞こえた。
「メェェェェ」
「ユキ!?ユキなの!?どこ、ユキちゃん!?」
少女はあたりを見回し、そして手を耳に添えて声の聞こえる方へと歩いていった。
「メェェェ」
「そっちなのね、今行くわ。」「心配したのよ、どこへ行ってたの。」
少女の足取りは、ゆっくりと崖へと向かっていた。
「メェェェ」
あと10m
「メェェェ」
あと5m
「メェェェ」
あと3m、2m、1m、50cm、40cm、30cm、20cm、10cm、5cm・・・
―――――――フィー
少女は我に返った。目の前には切り立った崖が。底は真っ暗で何も見えない。
「捜し物は何ですか?見つけにくいモノですか?机の中も鞄の中も探したけれど見つからないのに」
ユキとは違う人の声が聞こえた。
「まだまだ探す気ですか、それより僕と踊りませんか」
その声はだんだんと近づいて・・・・
「ハイリ!こんなところで何やってるんだ!!」
少年は少女を抱きしめて崖から離れた。
「ピーター・・・ユキ、ユキが私を呼んでいたの・・・」
ハイリは小さな声で言った。
「ユキはもう死んだんだ・・・もうアルムの山には居ないんだ・・・」
ピーターは優しくハイリに諭した。
再び涙を流すハイリ。
「分かっていたの。もうユキは居ないって。でも、あたしそれが認められ無くって・・・」
ハイリはピーターの胸の中で泣いた。
「いつまでも泣いていたら、ユキが心配しちゃうよ。ハイリはユキのお姉さんなんだから、しっかりしなくちゃいけない。」
ハイリはうなずいて、言った。
「そう・・・そうよね、あたしがしっかりしなくちゃ、いつまでも子供のままのお姉ちゃんじゃ、ユキが心配しちゃう。」
股間に当たる熱いモノを感じながら、ハイリは決心した。
「あたし、オトナになりたい。ピーター、手伝って」
「えっ・・」
驚いたのもつかの間、ピーターの唇はハイリの唇でふさがれていた。
いきなりのことに戸惑いながらも、ピーターは自分の口の中に入ってくるハイリの舌を思いっきり吸っていた。
絡み合う舌と舌。
二人の吐息は熱を帯びていく・・・
互いに体をまさぐりあい、熱を確かめた。
春とはいえ、ココはアルプス。空気は澄んでいて、すこし冷たかった。
そんなことを気にせず、二人は愛撫を繰り広げていた。
クチュ、クチュ・・・
アルムの山にいやらしい音が響いた。
「ハイリ、もうそろそろ・・・」
ピーターのチョモランマは限界寸前だった。
「うん、きて・・・ピーター」
同じく、ハイリのレマン湖にも雪解け水が充ち満ちていた。
そして一つになる二人。
「あぁ、気持ちいいよハイリ、あぁ、あぁ」
ひたすらに腰を振るピーター
「あぁ、いい、いぃ、初めてなのにきもちいいぃ」
ハイリも思わず腰を振っていた。
ピーターは腰を振りながらハイリの乳首をクリクリした。
「あぁ、乳首、乳首らめぇぇ、気持ちいいぃぃ〜」
「立ってる!乳首がたってる!立ってるわピーター!」
ハイリは、あまりの気持ちよさに気がおかしくなりそうだった。
「今度は後ろから」
体位をバックに変えてピーターはまた腰を振った。
「あぁ、すごい、すごいわ、ペーター!あたしまるで山羊みたい!」
大きく口を開けて感じるままに身を任すハイリ。その口からはよだれが垂れていた。
「あたし山羊みたいな体位で感じちゃってる!!あぁらメェェェ!」
「らメェェェ」
ハイリは、初めての快楽におぼれながら、緑の中に雪色を見つけた。
「あぁ、ピーター、みてぇ、あそこにユキが、ユキが・・・」
「本当だ、ハイリ、ユキが見てるよ。オトナになったハイリをユキが見に来たんだ!」
「ユキ、みてぇ、オトナになってくあたしをみてぇぇえぇ」
「あぁ、ハイリ・・・そろそろ行くよ・・・山羊に見られながらピーターミルクをハイリに注ぐよ!」
「ピーター、きてぇっ」
「あぁ、いく、いっちゃう。あぁ、あぁ・・・」
「「ヤッホー!!!」」
そして二人は絶頂した。
―――――――「ピィー」
帰路の途中。
ハイリは、口笛を吹いた。
その音はどこまでも遠く遠く、響いた。
「あの子の所まで、届いたかな」
「きっと、きっと聞こえてるよ」
そこにはかつての無邪気な少女は居なかった。