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童貞・非モテ大学生時代のリビドー日記書庫

男が惚れる、男の中の男たち―漫画の中の童貞―

 なんだか就職難らしいですね。大学生活から逃げ出してフリーター生活を送っている僕にとってはまだまだ先のことでさっぱり実感が湧いていないのですが、
面接なんかでは「尊敬する人物は誰ですか?」なんて質問もされるのでしょうね。
僕たちのような、非コミュの人間はそもそも対して人と触れ合った経験が無いので、こういう時に真っ先に思い浮かぶのが漫画のキャラクターだったりします。
真っ当な人だったら「それは父です。」なんて答えたりするんでしょうが、父のPCのyahooの検索履歴に残っていた「バンコク 風俗」というワードがどうしても頭を過ぎります。
そんな静かなるドンにそっくりなうちの親父のことは置いておいて、今日は僕が尊敬する漫画の中の男たちを紹介して行きたいと思います。クリスマスイブだしね。


 まずトップを飾るのは少年画報社 ヤングキングアワーズで連載中の長谷川哲也先生『ナポレオン―獅子の時代』より、ロベスピエール

「自分が愛するのは市民と革命だ。誰かではない。」と言う彼の言葉からは革命家として生きる彼の覚悟の強さがビシビシ伝わってくる。
僕が愛したいのは革命ではなく誰か一人の女性だが、彼の愛の強さは尊敬に値する。
愛するものに自分の一生を捧げる。
それまでの覚悟が僕らにはあるのか。


 お次は小学館 ビックコミックスピリッツ連載中の中原裕先生『ラストイニング』より、岩槻 雅司。

彼は甲子園予選という一度も負けられない大切な試合で、重大なエラーをしてしまう。
しかもそのエラーは彼が欲を出したせいで出たもので、普通のプレーをしていればあり得ないものだった。
そこで彼は神に祈るのだ。
「さっきのミスをなかった事にしてください。一生童貞でも構いません。」と。
これは、高校2年生という頭蓋骨を割ったら脳みその代わりに亀頭が覗くような思春期の男の子にそうそう言える言葉じゃない。
この後の一度したミスはその後何本ホームランを打ったところで帳消しにすることはできないという言葉が冷たく突き刺さります。
タバコを吸ったりパチンコに行ったり、金髪で眉毛の無い不良球児達に辟易していた僕ですが、高校球児達を見なおしました。
高校球児達よ、坊主でニキビで童貞たれ。


 体育会系の彼の次は、その対局に位置するオタク軍からの戦士。 
講談社 月刊アフタヌーンで連載していた木尾士目先生『げんしけん』より、笹原完士

第1話ではオタクになりきれないオタクとして、僕たちニワカの代表だった彼も現視研の三代目部会長となり成長しました。
初のコミフェスサークル参加の障害となるハラグーロこと原口の攻撃(勝手に有名作家にオファーを取り付ける)を見事に躱します。
「童貞捨てていこーよ」という原口の言葉に対し、「仕方ないじゃないっすか!童貞なんだから!」と一見開き直っているだけのようにも取れますが
馬鹿にされていることもすべてを受けて止めてその上反撃する姿はとても大人です。童貞だけど大人。
「童貞捨てるときぐらい自分で決めたい」
そうだよ。そのとおりだ笹原。俺たちの童貞を邪魔するんじゃねぇ!
 

 今日最後となる童貞は、
小学館 ヤングサンデーからビックコミックスピリッツに移籍して連載中の高橋のぼる先生『土竜の唄』より、菊川玲二。

広域暴力団の会長を逮捕するためにもぐら(潜入捜査官)として送り込まれた玲二は、いつ自分の身にふりかかるかも分からない死の恐怖を目の当たりにする。
そして頭をよぎる一人の女。一度も女を知らずに死ぬのは嫌だ、玲二は純奈の部屋に忍び込んだ。
「誰でもイイんでしょ」
「お前じゃなきゃダメなんだ。バカヤロウ。」
「クソッ、童貞で死んでやるッ。」

愛する一人の女以外とヤるなんて考えられない。ドブに捨てるようなら童貞で死んだ方がましだ。
これぞ童貞の生き方だ。これ以上に魂を揺さぶる台詞を僕は見たことが無い。

次の瞬間玲二は純奈に童貞を捧げることになるのだが、
肉体の童貞は失ったとしても心の童貞を失ってはいない。
玲二は童貞を貫いたのだ。



今日2009年12月24日、人生で20度目のクリスマスイブ。
僕は彼らのように男として最高の童貞でありたいと思う。


最後に、講談社 イブニング連載中の久保ミツロウ先生『モテキ』より、みんなのアイドル中柴イツカちゃんのお言葉でお別れです。