目から出ているのは汗、俺は独りで生きていけるんだ-久保ミツロウ『モテキ』1巻

泣いてなんて無いさ。
彼女なんて居なくても、独りでも充分楽しいんだ。
なのに、俺はなんで泣いてるんだ？
なんでちょっと恋してみてもいいかな、なんて思ってるんだよ。
なんで恋してぇーっておもってんだよばか！

モテキ (1) (イブニングKC)

恋愛に奥手な草食系男子をリアルに描いた『モテキ』（イブニング連載）の1巻が発売になりました。
作者の久保ミツロウは女性ながらにモテない童貞男子の心情を巧みに描いています。
それはもうこの物語の主人公である幸世は自分の脳みそがそのままトレースされているのではないかと思うくらいに。

主人公である幸世はヤラハタ、彼女居ない歴＝年齢、オタ、ネガティブ、派遣（準無職）
と非モテの鑑のようなステータスを持つ29歳。
30目前にしてモテとは無縁の生活を送っていました。
外にも出ず、モテる努力もしていなかった彼に、急に女子からの連絡が相次いでやってきます。
良いところまで行った女性や高校の後輩からのいきなりの電話、知り合いと間違えてメール、ライブのお誘い、
モテキの到来です。
いきなり沢山の女性から連絡が来たら一般男子はどういう気持ちになるでしょうか。
そう、モテ期が来たんだ！と有頂天になるのです。それはモテ御輿もやってきます。
しかし我々は違う。よく鍛えられた非モテは一瞬で悟ります。
何の努力もしていないのにいきなりモテるはずがない。
ずっと連絡取ってないのにいきなり好きだと言うなんてキモい。
ただの偶然だろ、向こうには何の気もないのだ。
期待してはいけない。

「誰にも愛されずに生きていくんだ」僕たち非モテは、誰しも一度は、そう覚悟したことがあるはずです。
そもそも、俺たちだって昔は恋しようとがんばったよ。
ことごとくから回ったけどな！！
ああああ死にたい死にたいああああアナルに放水ホースを突っ込まれて最大出力で発射されて口から水を拭き代ながら燃えさかる金閣寺の消火活動をしながら息絶えたい。
思い出すだけで思考停止したくなる。
過去に負った痛手（まち針を指に刺した程度の傷だけど俺たちにとっては致命傷）
そんなHP3、防御力1の貧弱遊び人が僕たち非モテ。

そんな非モテが女性に近づくとどうなってしまうのか。
もし僕らにモテキが来てしまったら。リアルなifがここにある。

あと、久保ミツロウ先生と言えばTBSラジオ『伊集院光　深夜の馬鹿力』が切っても切れない（？）ですね。
第3話に出てきた定義山の三角あぶらあげ。深夜の馬鹿力でサンドイッチマンの伊達くんに仙台に連れて行ってもらったときの話ですね。
さて、深夜の馬鹿力と言えば放送開始以来男女比100：0と言われ
パーソナリティの伊集院光もDTスピリッツに溢れた人物ですから、
非モテの巣窟みたいなラジオなんですよ。
久保ミツロウ先生ってそんなラジオにFAX送ったりしてるんですよね。
モテキの、恐ろしいまでに鋭い非モテ分析はこのラジオが元なんじゃないかな。

今スキャナーないので紹介することが出来ないのですが
モテキ2人目の女の子が一目見ただけで鼻から出てはいけない液体が出てくるほど可愛いのですよ。
中柴いつかちゃんっていうんですけどね。俺たち非モテの理想を行ってるわけですよ。
黒髪ショートで処女で目が小さいんだけど可愛くて
伊集院のラジオとか聞いてて優しくてちょっとオタクトークも出来て
化粧っ気もなくて天然素材って感じなんですよほんとに。
おまえら処女厨のDTどもには天使にしか見えないからマジで一見しときなさい。
そのためだけに買っても全然後悔しない一冊でありますよ！！
いつかちゃんオメガ可愛いかわいいかわいいかわいいあかわわいわいあいあいあ

追記3/24
雑誌で全部読んでるって人も中学生時代の読み切り（これがまた泣かすのよ）がありますので是非。
というかむしろ何で本編に入れなかったんだよってぐらい素晴らしいです。
幸世の過去にもっと共感を持てるはず。

しかし、すんげーシンクロ出来るけどステータスと経験値には天と地の差がありますよね。